この記事では、測量士と測量士補の違い、仕事内容、資格試験の難易度、年収、将来性まで詳しく解説します。
測量士・測量士補とは
測量の仕事とは
測量とは、土地の形状、距離、面積、高さを専門の機器を使って正確に測定することです。道路や建物、ダム、トンネルなど、あらゆる建設工事は測量から始まります。
測量業務は測量法により、測量士または測量士補の有資格者だけが行える独占業務と定められています。また、測量業を行う会社は各営業所に1名以上の測量士または測量士補を配置する義務があります。
測量士と測量士補の違い
| 項目 | 測量士 | 測量士補 |
|---|---|---|
| 役割 | 測量業務の責任者 | 測量士の補佐 |
| 測量計画 | 作成できる | 作成できない |
| 業務内容 | 計画立案・指示・実測・監督 | 測量士の計画に従い測量を実施 |
| 試験難易度 | 高い(合格率10〜18%程度) | 比較的易しい(合格率30〜44%程度) |
| 待遇 | 上位資格として評価される | 測量士より低め |
簡単に言えば、測量士が指示を出し、測量士補がその計画に従って実際に測量を行うという関係です。ただし、現場では経験や能力に応じて柔軟に役割分担されることもあります。
測量士・測量士補の仕事内容
外業(フィールドワーク)
現場で測量機器を使って実際に測量を行う仕事です。
- トータルステーション(測量機器)を使った角度・距離の測定
- レベルを使った高さの測定
- GNSS(GPS)測量
- ドローンを使った写真測量
- 基準点・水準点の設置
- 境界確認・杭の復元
内業(デスクワーク)
事務所でのデータ処理・図面作成などの仕事です。
- 測量データの計算・解析
- CADを使った図面作成
- 測量成果品の作成
- 報告書の作成
- 発注者・関係者との打ち合わせ
測量の種類
- 基本測量:国土地理院が行う全国規模の測量
- 公共測量:国や地方自治体が行う測量
- 基準点測量:測量の基準となる点を設置
- 地形測量:地形図を作成するための測量
- 路線測量:道路・鉄道などの線形を決める測量
- 用地測量:土地の境界・面積を確定する測量
測量士・測量士補の資格試験
試験概要
| 項目 | 測量士 | 測量士補 |
|---|---|---|
| 試験実施 | 国土地理院(年1回、5月頃) | |
| 受験資格 | 制限なし(誰でも受験可能) | |
| 試験形式 | 午前:択一式/午後:記述式 | 択一式のみ |
| 合格率 | 10〜18%程度 | 30〜44%程度 |
| 勉強時間目安 | 約300時間 | 約200時間 |
試験以外の取得方法
測量士・測量士補は、試験に合格する以外にも取得する方法があります。
測量士補
- 大学で測量に関する科目を修了して卒業
- 短大・高専で測量に関する科目を修了して卒業
- 測量専門学校を卒業
測量士
- 大学で測量に関する科目を修了して卒業+実務経験1年
- 短大・高専で測量に関する科目を修了して卒業+実務経験3年
- 測量士補取得後+実務経験(学歴により2〜3年)
測量士・測量士補の年収
平均年収
測量士・測量士補の平均年収は約390〜615万円程度です。未経験の場合は300万円程度からスタートし、経験を積むことで収入アップが期待できます。
| 経験・資格 | 年収目安 |
|---|---|
| 未経験・新人 | 280〜350万円 |
| 測量士補(経験3〜5年) | 350〜450万円 |
| 測量士(経験5〜10年) | 450〜550万円 |
| ベテラン・管理職 | 550〜700万円以上 |
年収アップの方法
- 測量士補から測量士へステップアップ
- 土地家屋調査士の資格を取得
- CAD、GIS、ドローン測量などの技術を習得
- 大手測量会社・建設コンサルタントへ転職
- 独立開業
測量士・測量士補に向いている人
- 屋外作業が好きな人:現場でのフィールドワークが多い
- 几帳面で正確な作業ができる人:ミリ単位の精度が求められる
- 論理的思考ができる人:効率的な測量計画を立てる
- コミュニケーション力がある人:関係者との調整が多い
- 新しい技術に興味がある人:ドローンやGIS等の技術革新
- 根気強い人:時間のかかる業務も多い
測量士・測量士補の将来性
安定した需要
測量は建設・土木工事に不可欠であり、インフラ整備が続く限り需要がなくなることはありません。特に以下の要因から、今後も安定した需要が見込まれます。
- 老朽化したインフラの補修・更新工事の増加
- 国土強靭化・防災対策の推進
- 災害復旧工事での需要
- 再開発・都市整備事業
技術革新への対応
近年はドローン測量、3Dスキャナー、GIS(地理情報システム)など新しい技術が導入されています。これらの技術を習得することで、より付加価値の高い仕事ができるようになります。
土地家屋調査士へのステップアップ
測量士・測量士補の資格を持っていると、土地家屋調査士の試験で「測量及び作図」が免除されます。土地家屋調査士は登記に関する測量を行う国家資格で、独立開業も可能。年収1,000万円以上を目指すこともできます。
まとめ
測量士・測量士補は、建設・土木工事の基礎を支える専門職です。測量士が計画を立案し、測量士補がその計画に従って測量を実施するという役割分担があります。
どちらも国家資格で、試験は年1回実施されます。測量士補は合格率30〜44%と比較的取得しやすく、まず測量士補から取得して経験を積み、測量士へステップアップするルートがおすすめです。
土木業界に興味がある方、正確な作業が得意な方、屋外作業が好きな方は、測量士・測量士補の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。