現場レポート

土木業界の3Kは改善されている?新3Kと働き方改革を解説

techtek 2026.02.09 6 min read

土木業界の3K(きつい・汚い・危険)から新3K(給与・休暇・希望)への変化を解説。国土交通省の取り組みと働き方改革の実態を紹介します。

この記事では、従来の3Kから新3Kへの変化と、具体的な改善の取り組みを解説します。

従来の3Kとは

建設業界は1980年頃から「3K」と呼ばれてきました。

従来の3K
K 内容
きつい 体力を使う作業、長時間労働、休日が少ない
汚い 土や泥にまみれる作業、屋外での作業
危険 高所作業、重機を使う作業、事故のリスク

このネガティブなイメージが若者の建設業離れを加速させ、深刻な人手不足の原因となっていました。

新3Kとは

国土交通省は2015年、従来の3Kを払拭するため「新3K」を提唱しました。

新3K
K 内容
給与がいい 適正な賃金が得られる
休暇が取れる 週休2日制の導入、長時間労働の是正
希望が持てる 将来性がある、キャリアアップできる

さらに「かっこいい」を加えた「新3K+K」という考え方もあり、災害復旧などで地域を守る建設業の姿を積極的に発信する取り組みも行われています。

給与改善の取り組み

公共工事設計労務単価の引き上げ

公共工事設計労務単価は12年連続で引き上げられており、2024年度は前年度比5.9%増、2025年度は6.0%増と過去最高水準の引き上げが続いています。

労務費見積り尊重宣言

日本建設業連合会(日建連)による「労務費見積り尊重宣言」では、下請企業からの労務費見積を尊重する取り組みが進められています。技能者のレベルに見合った適正な労務費が支払われる仕組みづくりが進んでいます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)

建設キャリアアップシステムにより、技能者の資格や就業履歴が蓄積されます。経験やスキルに応じた適正な評価・処遇が可能になり、キャリアアップと収入アップが連動する仕組みが整いつつあります。

休暇改善の取り組み

週休2日制の推進

国土交通省は公共工事を中心に週休2日制の導入を推進しています。2020年以降、国土交通省発注の直轄工事では原則として週休2日を確保できる工期設定がされています。

時間外労働の上限規制

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。これにより、長時間労働の是正が進んでいます。

時間外労働の上限
項目 上限
月の時間外労働 45時間以内
年の時間外労働 360時間以内
特別条項適用時 年720時間以内

適正な工期設定

国土交通省は「適正な工期設定に関する指針」を策定し、施工に必要な実日数や休日を考慮した工期設定を発注者に義務付けています。

希望が持てる取り組み

i-Construction(アイ・コンストラクション)

ICT技術を活用して建設現場の生産性を向上させる取り組みです。

  • ドローンによる測量
  • ICT建設機械の活用
  • 3次元データの活用
  • BIM/CIMの導入

これにより危険な作業が減り、少人数でも効率的に作業ができるようになっています。

若者・女性の活躍推進

  • 女性用トイレ・更衣室の設置
  • 快適トイレの導入
  • 作業着の改良
  • 育児休業制度の整備

キャリア教育・広報活動

高校や大学でのキャリア教育、SNSを活用した建設業の魅力発信など、業界のイメージアップに向けた取り組みも進んでいます。

実際に改善されている点

女性技能者の増加

育児休業制度の整備や現場環境の改善により、建設業に女性技能者が増えています。

IT技術の導入

BIM/CIM、ドローン測量、ICT建機、遠隔臨場など、IT技術の導入が進み、業務効率化と安全性向上が実現しています。

労働環境の改善

空調服の普及、快適トイレの設置、休憩所の整備など、現場の労働環境が改善されています。

まだ課題が残る点

  • 中小企業への浸透:大手企業に比べ、中小企業では改革の遅れが見られる
  • 週休2日の完全定着:まだ4週8休が定着していない現場もある
  • 日給制の問題:月給制への移行が進んでいない企業もある

会社選びのポイント

新3Kに積極的に取り組んでいる会社を選ぶことが重要です。

  • 週休2日制を導入しているか
  • 残業時間の管理がされているか
  • 月給制か日給制か
  • 資格取得支援があるか
  • キャリアアップの仕組みがあるか
  • ICT機器を導入しているか

まとめ

土木・建設業界は従来の「3K(きつい・汚い・危険)」から「新3K(給与・休暇・希望)」へと変化しています。国土交通省主導の働き方改革により、労務単価の引き上げ、週休2日制の推進、時間外労働の上限規制など、具体的な改善が進んでいます。

i-ConstructionによるICT化も進み、若者や女性も活躍しやすい環境が整いつつあります。「3K」のイメージだけで建設業を敬遠するのはもったいないかもしれません。働き方改革に積極的な会社を選べば、やりがいのある仕事に就くことができるでしょう。

参考リンク

Tags

BIM CIM ICT ドローン 働き方改革 測量 資格取得 重機
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