この記事では、土木業界のDXの現状と、i-Constructionをはじめとする最新技術について解説します。
建設DXとは
建設DXとは、AIやICTなどのデジタル技術を活用して、建設業界の業務プロセスや働き方を変革することです。単なるIT化・デジタル化にとどまらず、生産性の向上や新たな価値の創出を目指しています。
i-Constructionとは
i-Constructionの概要
i-Construction(アイ・コンストラクション)は、国土交通省が2016年から推進している建設現場の生産性向上プロジェクトです。ICT技術を活用し、2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させることを目指しています。
i-Construction 2.0
2024年4月には「i-Construction 2.0」が策定されました。2040年度までに省人化3割(生産性1.5倍)を目標に、さらなる自動化・オートメーション化を推進しています。
| 柱 | 内容 |
|---|---|
| 施工のオートメーション化 | 自動施工、遠隔操作、ICT建設機械の活用 |
| データ連携のオートメーション化 | 3Dデータの活用、BIM/CIMの推進 |
| 施工管理のオートメーション化 | 遠隔臨場、デジタルツインの活用 |
土木業界で活用されている最新技術
1. ICT施工
ICT施工とは、測量から施工、検査まで一連の工程でICT技術を活用する施工方法です。
- 3次元測量:ドローンやレーザースキャナーによる測量
- 3次元設計データ作成:設計図面の3Dモデル化
- ICT建設機械:マシンコントロール、マシンガイダンス
- 3次元出来形管理:施工結果の3Dデータ管理
2. BIM/CIM
BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)は、3次元モデルに属性情報を付加したデータを活用し、設計から施工、維持管理まで情報を一元管理する手法です。
3. ドローン
- 測量・地形データの取得
- 工事進捗の確認
- インフラ点検
- 災害時の状況把握
4. AI(人工知能)
- 画像解析によるひび割れ検出
- 施工の最適化支援
- 危険予知・安全管理
- 書類作成の自動化
5. 遠隔操作・自動施工
- 建設機械の遠隔操作
- 自動運転ダンプトラック
- トンネル掘削の自動化
ICT施工の普及状況
国土交通省直轄工事での普及
2024年度の国土交通省直轄土木工事では、公告件数の約89%にICT施工が取り入れられています。2025年度からは、直轄の土工・浚渫工事においてICT施工が原則適用となる方針が示されています。
生産性向上の効果
ICT活用工事が導入されていない2015年度と比較して、2022年度時点で約21%の生産性向上が確認されています。
DX推進の課題
- 導入コスト:ICT機器やソフトウェアの導入費用
- 人材育成:ICTを使いこなせる人材の不足
- 中小企業への普及:大手に比べて導入が遅れている
- データの標準化:異なるシステム間のデータ連携
転職者にとってのメリット
DXの進展は、土木業界で働く人にとってプラスの面が多くあります。
- 重労働の軽減(機械化・自動化の進展)
- デスクワークの増加(遠隔管理、データ分析)
- 安全性の向上(危険作業の省人化)
- 労働時間の短縮(業務効率化)
- 新しいスキルを身につける機会
今後求められるスキル
| 従来 | 今後 |
|---|---|
| 現場での経験・勘 | ICT機器の操作スキル |
| 手作業中心 | データ分析・活用能力 |
| 紙の図面 | 3DモデルやBIM/CIMの理解 |
まとめ
土木業界のDX・ICT活用は急速に進んでおり、i-Constructionの推進により生産性は着実に向上しています。2025年度からはICT施工が原則化される方針もあり、今後さらにデジタル化が進むことが予想されます。
転職者にとっては、重労働の軽減や労働環境の改善につながるプラスの変化です。一方で、ICTを使いこなせる人材の需要が高まっているため、新しい技術への対応力を身につけることがキャリアアップにつながります。