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ゼネコンとは?スーパーゼネコン5社の売上・年収ランキングと業界の仕組みを解説

techtek 2026.02.09 14 min read

ゼネコン(ゼネラルコントラクター)とは何かを分かりやすく解説。スーパーゼネコン5社の売上・年収ランキング、準大手・中堅ゼネコンの違い、業界の仕組みまで詳しく紹介します。

ゼネコンは、私たちの生活を支える道路、橋、トンネル、高層ビルなど、あらゆる建設工事を手がける総合建設会社です。建設業界の中心的存在であり、多くの下請け業者をまとめてプロジェクトを完成させる重要な役割を担っています。

この記事では、ゼネコンの基本的な仕組みから、スーパーゼネコン5社の特徴、売上・年収ランキングまで詳しく解説します。

ゼネコンとは

ゼネラルコントラクターの略称

ゼネコンとは「ゼネラルコントラクター(General Contractor)」の略称で、日本語では「総合建設業者」と呼ばれます。建設プロジェクトの計画段階から完成に至るまで、設計、施工、管理、品質保証など、全ての工程を統括する企業です。

大規模なプロジェクトでは、多くの下請け業者や専門工事業者が関与しますが、それらの業者を統括し、工期やコスト、安全管理を含むプロジェクト全体の成功を確実にするのがゼネコンの主な役割です。

ゼネコンの主な業務

  • 設計:建物やインフラの構造・デザインを設計する
  • 施工:実際の建設工事を行う
  • 施工管理:工程・品質・安全・原価を管理する
  • 研究開発:新しい工法や技術を開発する

ゼネコンは、これらの業務を自社内で一貫して行える体制を持っているのが特徴です。設計から施工、研究開発まで全てを請け負える企業こそがゼネコンと呼ばれます。

ゼネコンの分類

ゼネコンは売上規模によって、主に3つのカテゴリーに分類されます。

ゼネコンの分類
分類 売上高の目安 従業員数の目安 特徴
スーパーゼネコン 1兆円以上 5,000人以上 国内外の超大型プロジェクトを手がける
準大手ゼネコン 3,000億円〜1兆円程度 2,500〜6,000人程度 独自工法や技術を持つ、ダム等の大型事業も担当
中堅ゼネコン 1,000億円〜3,000億円程度 1,000〜3,000人程度 地域密着型、専門分野に強みを持つ企業も

スーパーゼネコン5社とは

スーパーゼネコンとは、建設業界で最も規模の大きい企業群で、年間売上高が1兆円を超えることが基準とされています。日本では以下の5社がスーパーゼネコンに分類されています。

  • 鹿島建設
  • 大林組
  • 大成建設
  • 清水建設
  • 竹中工務店

これらの企業は、国内外の超大型プロジェクトを手がける能力を持ち、技術力や管理能力は世界的にもトップクラスです。従業員数も1万人から2万人以上を抱え、企業全体としての総合力が非常に高いのが特徴です。

スーパーゼネコン5社 売上高ランキング(2025年3月期)

スーパーゼネコン5社 売上高ランキング
順位 企業名 売上高 従業員数
1位 鹿島建設 約2兆9,118億円 約21,000人
2位 大林組 約2兆6,201億円 約15,000人
3位 大成建設 約2兆1,542億円 約14,500人
4位 清水建設 約2兆円 約16,000人
5位 竹中工務店 約1兆6,001億円 約7,700人

出典:各社有価証券報告書(2025年3月期決算)

2025年3月期の決算では、上位3社が2兆円を超え、最大手の鹿島建設は3兆円に迫る売上を記録しています。スーパーゼネコン5社の売上高合計は約11兆円で、国内建設投資額(約75兆円)の約14%を占めています。

スーパーゼネコン5社 平均年収ランキング

スーパーゼネコン5社 平均年収ランキング
順位 企業名 平均年収
1位 鹿島建設 約1,184万円
2位 大林組 約1,140万円
3位 大成建設 約1,058万円
4位 竹中工務店 約1,030万円
5位 清水建設 約1,011万円

出典:各社有価証券報告書

スーパーゼネコン5社の平均年収は全て1,000万円を超えており、日本の平均年収(約460万円)を大きく上回っています。特に鹿島建設は平均年収1,184万円と、業界トップの水準です。

スーパーゼネコン5社の特徴

鹿島建設

1840年創業の日本を代表する総合建設会社で、売上高・平均年収ともにスーパーゼネコン1位です。スーパーゼネコンの中ではやや土木寄りで、青函トンネルや本四連絡橋など、前人未到のプロジェクトを数多く手がけてきました。

海外事業にも積極的で、特に北米やアジアでの大規模プロジェクトを展開しています。「進取の精神」を理念に掲げ、常に時代を先取りした挑戦を続けています。

大林組

1892年創業で、売上高はスーパーゼネコン2位です。現場重視の社風が特徴で、日本初の高さ100m超の高層ビルを手がけた実績があります。

東京スカイツリーの施工を担当したことでも知られ、超高層建築に強みを持っています。近年はITベンチャー企業のM&Aにも積極的で、建設DXを推進しています。

大成建設

1873年創業で、スーパーゼネコンの中で唯一、同族経営を行っていない企業です。風通しの良い社風と評判で、データセンターや市街地再開発などの分野に強みを持っています。

新国立競技場の施工を担当したことでも知られています。海外事業ではベトナムでの展開を強化しており、現地主導による事業展開を進めています。

清水建設

宮大工を起源として1937年に設立されたスーパーゼネコンです。国内の建築に強く、大手ゼネコンでは唯一、社寺建築の専門部署を持つなど、伝統建築に特に強みがあります。

モード学園コクーンタワー、サンシャイン60、歌舞伎座タワーなどの代表的な施工物件があります。医療・福祉施設の受注高は国内トップクラスで、働き方改革にも積極的に取り組んでいます。

竹中工務店

スーパーゼネコンの中で唯一、上場していない企業です。職人気質が強く、土木工事をほとんど行わず、売上の90%以上を建築事業が占めています。

設計部門は大手設計事務所と肩を並べるほどの実力があり、多くの有名建築家を輩出しています。高品質な設計を得意とし、近年はカーボンニュートラルやサステナブル社会への取り組みも進めています。

準大手ゼネコン

準大手ゼネコンは、売上高が3,000億円〜1兆円程度の企業を指します。スーパーゼネコンには及びませんが、独自の技術や工法を持ち、ダムやトンネルなどの大型事業も手がけています。

主な準大手ゼネコン
企業名 売上高目安 特徴
長谷工コーポレーション 約1兆1,773億円 マンション建築に強み、有料老人ホームも展開
五洋建設 約6,691億円 海洋土木工事に強み
前田建設工業 約4,938億円 ダム・トンネル建設に強み、海外実績も豊富
戸田建設 約4,754億円 病院建築に強み
フジタ 約4,999億円 まちづくり事業も展開
安藤ハザマ 約4,000億円 黒部ダム、青函トンネルなどの実績

中堅ゼネコン

中堅ゼネコンは、売上高が1,000億円〜3,000億円程度の企業を指します。地域密着型の工事が多く、河川工事や鉄道工事など専門分野に高い技術力を持つ企業もあります。

主な中堅ゼネコン
企業名 特徴
奥村組 トンネル工事に強み
鴻池組 1871年創業、専用の研究施設を保有
東亜建設工業 海洋土木工事に強み
鉄建建設 鉄道工事に強み
東洋建設 港湾・海洋工事に強み

ゼネコンとサブコンの違い

建設業界には「サブコン」と呼ばれる企業も存在します。サブコンは「サブコントラクター(Subcontractor)」の略で、ゼネコンから工事を請け負う専門工事業者を指します。

ゼネコンとサブコンの違い
項目 ゼネコン サブコン
役割 プロジェクト全体を統括 特定の専門工事を担当
発注者との関係 直接契約(元請け) ゼネコンから受注(下請け)
業務範囲 設計・施工・管理など全般 電気・空調・配管など専門分野

代表的なサブコンには、電気工事の関電工や九電工、空調工事のダイキン工業などがあります。

ゼネコン業界の今後の展望

建設DXの推進

ゼネコン各社は、IoT・AI・5Gなどの先端技術を活用した「建設DX」を積極的に推進しています。ドローンによる測量、3次元データの活用、建設ロボットの導入などにより、生産性向上と労働環境の改善を図っています。

担い手不足への対応

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、働き方改革が加速しています。各社は労働環境の改善に取り組むとともに、女性や外国人材の活用、ITスキルを持つ人材の採用など、多様な人材確保に注力しています。

海外展開とM&A

国内市場の成熟化に伴い、海外事業の強化やM&Aの動きが活発化しています。特にアジアや北米での大規模プロジェクトへの参画が増えており、グローバルな競争力の強化が進んでいます。

ゼネコンへの就職・転職

求められる人材

ゼネコンで活躍するためには、以下のようなスキルや資格が求められます。

  • 技術系職種:建築・土木系の学歴、施工管理技士などの資格
  • 設計職:建築士資格、CADスキル
  • 営業職:コミュニケーション能力、折衝力
  • 事務職:事務処理能力、Excel/Wordスキル

有利になる資格

ゼネコンへの就職・転職で有利になる資格
資格名 概要
1級土木施工管理技士 土木工事の施工管理に必要な資格、監理技術者になれる
1級建築施工管理技士 建築工事の施工管理に必要な資格
一級建築士 あらゆる建築物の設計・工事管理ができる
技術士(建設部門) 高度な技術力を証明する国家資格

まとめ

ゼネコンは、建設プロジェクトの計画から完成まで全ての工程を統括する総合建設会社です。スーパーゼネコン5社(鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店)は、売上高1兆円を超え、日本の建設業界をリードしています。

スーパーゼネコン5社の平均年収は全て1,000万円を超えており、高い給与水準と安定した雇用が魅力です。ただし、就職・転職のハードルは高く、専門的なスキルや資格が求められます。

建設業界に興味がある方は、まずは資格取得を目指しながら、中堅・準大手ゼネコンや協力会社で経験を積むことも有効な選択肢です。経験と実績を積み重ねることで、キャリアアップの道が開けます。

参考リンク

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DX ダム ドローン トンネル 働き方改革 施工管理 港湾 資格取得
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