この記事では、測量士補の試験概要、難易度、合格率、必要な勉強時間、効果的な勉強方法まで詳しく解説します。
測量士補とは
測量士補の役割
測量士補は、測量士の作成した測量計画に基づいて、実際の測量業務を行う国家資格です。測量は工事の基礎となる重要な作業で、住宅から大規模な構造物まで、どんな工事も測量から始まります。
正確性が厳しく求められる社会的責任の重い業務であり、測量士補の資格を持つことで専門家として認められます。
測量士との違い
| 項目 | 測量士 | 測量士補 |
|---|---|---|
| 役割 | 測量計画の作成、業務の監督 | 測量士の計画に基づく実務 |
| 合格率 | 約10〜15% | 約30〜40% |
| 勉強時間目安 | 300〜500時間 | 約200時間 |
| 試験形式 | 択一式+記述式 | 択一式のみ |
測量士補試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 年1回(5月中旬) |
| 受験資格 | なし(誰でも受験可能) |
| 試験形式 | 択一式(マークシート)28問 |
| 試験時間 | 3時間 |
| 合格基準 | 700点満点中450点以上(約64%) |
| 受験料 | 2,850円 |
| 試験地 | 全国14都市 |
出題科目
測量士補試験では、以下の8科目から出題されます。全科目からまんべんなく出題されるため、幅広い学習が必要です。
- 測量に関する法規
- 多角測量
- 汎地球測位システム測量(GNSS測量)
- 水準測量
- 地形測量
- 写真測量
- 地図編集
- 応用測量
測量士補の難易度
合格率の推移
測量士補試験の合格率は、例年30〜40%程度で推移しています。国家資格としては比較的高い合格率で、しっかり勉強すれば合格を狙える資格です。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年 | 約13,000人 | 約4,300人 | 約33% |
| 令和4年 | 約12,500人 | 約5,500人 | 約44% |
| 令和3年 | 約12,900人 | 約4,400人 | 約34% |
偏差値で見る難易度
測量士補の偏差値は約47とされており、国家資格としてはやや易しい難易度に位置づけられます。宅建(偏差値57)より易しく、数ヶ月の勉強で合格を目指せます。
合格率が低くなる理由
国家資格としては合格率が高い測量士補ですが、それでも約6〜7割の受験者が不合格になります。その主な理由は以下の通りです。
- 計算問題への対策不足:全体の約30%が計算問題で、高校数学レベルの知識が必要
- 出題範囲が広い:8科目全てから出題され、どの科目も手を抜けない
- 専門知識が必要:測量未経験者には専門用語の理解に時間がかかる
必要な勉強時間
目安は約200時間
測量士補試験に合格するための勉強時間は、一般的に約200時間と言われています。1日2〜3時間の勉強で3ヶ月程度、1日1時間なら6ヶ月程度が目安です。
| 1日の勉強時間 | 必要な期間 |
|---|---|
| 3時間 | 約2ヶ月 |
| 2時間 | 約3〜4ヶ月 |
| 1時間 | 約6ヶ月 |
学習スケジュール例
5月中旬の試験に向けて、年明け(1〜2月)から勉強を始めるのがおすすめです。以下は3ヶ月間の学習スケジュール例です。
| 期間 | 学習内容 | 時間配分 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | テキストで基礎知識のインプット | 約80時間 |
| 2ヶ月目 | 過去問演習、弱点の把握 | 約80時間 |
| 3ヶ月目 | 過去問の繰り返し、総仕上げ | 約40時間 |
効果的な勉強方法
過去問を繰り返し解く
測量士補試験は、過去に出題された問題と類似した問題が度々出題される傾向があります。過去問を中心に勉強することが、合格への最短ルートです。
最低でも過去10年分の過去問を3周以上解くことをおすすめします。過去問演習には30時間以上かけましょう。
計算問題を重点的に対策
計算問題は全体の約30%を占めます。文章問題を全問正解しても、計算問題が解けなければ合格ラインぎりぎりになってしまいます。
三角関数など高校数学レベルの知識が必要ですが、使用する公式は限られています。繰り返し解いて解法を身につけましょう。また、試験では電卓の持ち込みができないため、筆算に慣れておく必要があります。
独学と通信講座の選択
| 項目 | 独学 | 通信講座 |
|---|---|---|
| 費用 | テキスト代のみ(数千円) | 数万円〜 |
| 学習ペース | 自由 | カリキュラムに沿う |
| 質問対応 | なし | あり |
| 向いている人 | 自己管理ができる人、基礎知識がある人 | 計画的に学びたい人、初学者 |
測量士補を取得するメリット
就職・転職に有利
測量会社は、測量士・測量士補の資格者を1名以上配置することが法律で義務付けられています。そのため、資格を持っていると就職・転職で有利になります。
土地家屋調査士の午前試験が免除
測量士補の資格を取得すると、土地家屋調査士試験の午前の部が免除されます。土地家屋調査士を目指す方にとって、測量士補は必須の資格といえます。
測量士へのステップアップ
測量士補として2年以上の実務経験を積むと、測量士への道が開けます。測量士補から測量士へのキャリアアップは一般的なルートです。
資格手当の支給
多くの測量会社や建設会社では、測量士補の資格保有者に資格手当を支給しています。月額数千円〜1万円程度の手当が期待できます。
測量士補の活躍する職場
- 測量会社:測量業務を専門に行う会社
- 建設コンサルタント:土地開発や防災、環境保護の調査・計画
- 建設会社:工事現場での測量業務
- 不動産会社:土地の境界確定などの測量
- 官公庁:公共事業に関わる測量業務
まとめ
測量士補は、土木・建設業界への入口となる国家資格です。合格率は約30〜40%で、国家資格としては取得しやすい部類に入ります。
合格に必要な勉強時間は約200時間が目安で、過去問を中心に計算問題もしっかり対策すれば、独学でも十分合格を狙えます。
受験資格がなく誰でも挑戦でき、土地家屋調査士への足がかりにもなる資格です。土木業界でのキャリアを考えている方は、まず測量士補の取得から始めてみてはいかがでしょうか。