この記事では、建設業界の構造とゼネコンの仕組みを分かりやすく解説します。
ゼネコンとは
ゼネコンとは「General Contractor(ゼネラル・コントラクター)」の略で、「総合建設業者」を意味します。
ゼネコンは発注者(国・自治体・民間企業)から工事を直接受注し、工事全体を統括・管理する役割を担います。自社で「設計」「施工」「研究」の機能を持っているのが特徴です。
建設業界のピラミッド構造
建設業界は「重層下請け構造」と呼ばれるピラミッド型の構造になっています。
| 階層 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 発注者 | 工事を発注する | 国・自治体・民間企業 |
| 元請け(ゼネコン) | 工事全体を統括・管理 | 大林組、鹿島建設など |
| 1次下請け(サブコン) | 専門工事を請け負う | 電気工事会社、設備会社など |
| 2次下請け | 更に細分化された工事 | 専門業者 |
| 3次下請け以下 | 実際の施工作業 | 職人、一人親方 |
ゼネコンの種類
スーパーゼネコン
年間売上高が1兆円以上の大手5社を指します。
- 鹿島建設
- 清水建設
- 大成建設
- 大林組
- 竹中工務店
準大手ゼネコン
スーパーゼネコンに次ぐ規模の企業です。
- 五洋建設
- 長谷工コーポレーション
- 戸田建設
- 前田建設工業
- 西松建設 など
マリコン
海洋土木工事を専門とするゼネコンです。五洋建設、東亜建設工業、東洋建設などが該当します。
サブコンとは
サブコンとは「Subcontractor(サブコントラクター)」の略で、ゼネコンから専門工事を請け負う下請け業者を指します。
| 種類 | 担当する工事 |
|---|---|
| 電気設備系サブコン | 電気工事、通信工事 |
| 空調設備系サブコン | 空調工事、換気工事 |
| 衛生設備系サブコン | 給排水工事、衛生設備 |
元請けと下請けの違い
| 項目 | 元請け | 下請け |
|---|---|---|
| 契約相手 | 発注者 | 元請けまたは上位下請け |
| 役割 | 工事全体の統括・管理 | 専門工事の施工 |
| 責任 | 発注者に対して責任を負う | 元請けに対して責任を負う |
| 利益率 | 高い(管理費を含む) | 低い(マージンが引かれる) |
ゼネコンの仕事の流れ
- 受注:発注者から工事を受注(入札または随意契約)
- 設計:設計部門で建物の設計を行う
- 下請け発注:サブコン・専門業者に工事を発注
- 施工管理:工程・品質・安全・原価を管理
- 完成・引渡し:完成した建物を発注者に引き渡す
重層下請け構造の課題
建設業界の重層下請け構造には、いくつかの課題が指摘されています。
- 下位の下請けほど利益が少なくなる
- 施工に関する責任の所在が不明確になりやすい
- 安全管理や品質管理が行き届きにくい
- 技能労働者の処遇が悪化しやすい
国土交通省はこれらの課題を改善するため、下請けを原則2次までとする動きなど、重層下請け構造の改善に取り組んでいます。
転職先としてのゼネコン・下請け
ゼネコンで働くメリット
- 大規模なプロジェクトに携われる
- 給与水準が高い
- 福利厚生が充実
- キャリアアップの機会が多い
下請けで働くメリット
- 専門技術を身につけられる
- 実際の施工作業に携われる
- 地元密着型の仕事ができる
- 独立の可能性がある
まとめ
建設業界はゼネコンを頂点としたピラミッド構造になっています。ゼネコンは発注者から工事を受注し、サブコンや下請け業者に発注して工事を進めます。
転職先を選ぶ際は、元請けで働くか下請けで働くかによって、仕事内容や待遇が大きく異なることを理解しておきましょう。自分がどのような仕事をしたいか、キャリアをどう築きたいかを考えて選ぶことが重要です。