この記事では、建設業界における外国人労働者の現状と制度、一緒に働く際のポイントを解説します。
建設業界の外国人労働者の現状
在留者数の推移
建設分野で働く外国人技能者の在留者数は約14.6万人で、全建設技能者の約4.9%を占めています(2024年時点)。特に特定技能外国人は年々増加しており、2024年12月時点で約3.9万人に達しています。
| 在留資格 | 人数(概数) |
|---|---|
| 技能実習 | 約11万人 |
| 特定技能 | 約3.9万人 |
| その他 | 約0.7万人 |
| 合計 | 約14.6万人 |
出典:国土交通省、出入国在留管理庁
主な出身国
建設分野で働く外国人の主な出身国は以下の通りです。
- ベトナム(最多)
- インドネシア
- フィリピン
- 中国
- ミャンマー
外国人労働者の在留資格
技能実習
技能実習制度は、外国人が日本で技能を習得し、母国に持ち帰ることを目的とした制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 技能習得による国際貢献 |
| 期間 | 最長5年 |
| 転職 | 原則不可 |
特定技能
特定技能は、人手不足が深刻な分野で即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格です。2019年に創設されました。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年まで | 上限なし |
| 家族帯同 | 不可 | 可能 |
| 技能レベル | 一定の技能 | 熟練した技能 |
| 転職 | 同一分野内で可能 | 同一分野内で可能 |
特定技能「建設」の業務区分
建設分野の特定技能は、以下の3つの業務区分に分かれています。
- 土木:土木工事全般
- 建築:建築工事全般
- ライフライン・設備:電気、配管、空調など
なぜ外国人労働者が増えているのか
- 深刻な人手不足:建設業就業者は1997年の685万人から2024年には約477万人に減少
- 高齢化:就業者の約37%が55歳以上
- 若者の建設業離れ:29歳以下は約12%にとどまる
- 2024年問題:働き方改革による労働時間の制限で人手がさらに必要に
外国人労働者を受け入れる企業の条件
特定技能外国人を受け入れる建設会社には、以下の条件が課されています。
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
- 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入
- 国土交通省への「建設特定技能受入計画」の認定申請
- 日本人と同等以上の報酬
- 受入人数の制限(常勤職員数を超えない)
外国人労働者と一緒に働く際のポイント
コミュニケーション
- ゆっくり、はっきり話す
- 専門用語は図や絵を使って説明
- 身振り手振りを交える
- 理解できたか確認する
安全管理
- 安全に関する指示は特に丁寧に
- 母国語の安全資料があると良い
- 危険な場面では確実に止める
異文化理解
- 宗教や文化の違いを尊重する
- 食事の制限(ハラールなど)への配慮
- 差別的な言動をしない
転職者が知っておくべきこと
外国人が多い現場も増えている
人手不足の解消策として外国人労働者の受け入れが進んでいるため、現場で外国人と一緒に働く機会は今後も増える見込みです。
日本人の役割も重要
外国人労働者が増えても、現場を取りまとめるリーダーや施工管理者は日本人が担うケースが多いです。日本人の技術者・管理者の需要は引き続き高い状況です。
コミュニケーション能力が求められる
言葉や文化が異なる人と一緒に働くため、伝える力・聞く力が重要になります。これは土木の技術とは別のスキルとして評価される傾向にあります。
まとめ
土木・建設業界では、人手不足を背景に外国人労働者が増加しています。2024年時点で約14.6万人の外国人技能者が建設分野で働いており、今後もこの傾向は続く見込みです。
転職を考えている方は、外国人と一緒に働く可能性があることを念頭に置いておきましょう。コミュニケーション能力や異文化理解が求められる場面もありますが、日本人の技術者・管理者の役割は引き続き重要です。多様な人材と協力して仕事を進めていく姿勢が大切です。